歯髄炎とは、歯髄神経と血管が通っている「歯髄」が何らかの原因によって炎症を起こし、激しい痛みを伴う症状のことで、知覚過敏と症状が似ており、「歯がしみる(痛む)」ということを考えれば、知覚過敏も歯髄炎の1つといえるかもしれません。
また一言に「歯髄炎」といっても、症状が慢性的なものなのか?一時的なものなのか?などによっても治療法が異なる場合がありますので、当たり前の事ですが、「歯がしみる、痛む」場合は早めに歯科医の診察を受けましょう。
「歯がしみる、ズキズキ痛む~(>_<。)ゝ」などの症状が続く場合、知覚過敏、または歯髄炎(虫歯を伴う)が疑われますが、痛みが激しい、または継続的に痛みを感じる場合は歯髄炎の可能性が高いでしょう。

具体的に歯科医では、問診、視診はもちろん、冷たい物、熱い物の刺激による痛みチェック(温度診)、歯を叩いたときの痛みチェック(打診)、X線診などを行い、歯髄炎の可能性が高い場合はさらに、電気歯髄診断器という機器を使い、歯髄がまだ生きているのか?すでに壊死しているのか?を調べ、どのような治療を行うかを決めていきます。
ちなみに知覚過敏の場合、歯を叩いたときの痛みチェック(打診)では痛みはないことが多く、歯を叩いて痛みがある場合は歯髄炎の可能性が高くなります。
歯髄炎の原因は以下の通りです。
・虫歯(細菌感染)
・外傷(歯の打撲、損傷)
・虫歯治療時の刺激
歯髄炎の原因のほとんどが上記の通り「
虫歯による細菌感染」といわれており、虫歯を放置していると歯髄炎になる可能性が高くなるので注意が必要です。
◎虫歯
⇒虫歯の細菌が象牙細管から歯髄内に進入
⇒歯髄内が炎症を起こし痛む
ただ近年は歯髄に伝わった何らかの刺激が原因で発生する「神経ペプチド」という物質が、歯髄炎に大きく関わっているのではないかといわれています。
歯髄炎と診断された場合、比較的症状が軽い段階であれば治療の結果、完治する事も多少は期待できますが、症状が進行している場合は残念ながら「抜歯によって歯髄を抜き取る」しか方法がない場合が多いのが現実です。
◎消炎処置
歯髄炎の症状が軽い場合に行われるのが、薬を用いて歯髄の炎症を抑える治療です。
しかし残念ながらいくら症状が軽くても歯髄炎の場合、炎症が一気に歯髄内に広がり症状がひどくなる可能性が非常に高いため、消炎処置を行わず、いきなし次の抜髄を含む「根管治療」を行う場合が多いようです。
◎根管治療
症状が進行した歯髄炎の治療法として行われるのが『
根管治療』です。
根管治療の流れとしては・・・
○抜髄(歯髄除去)
○根管清掃、拡大
○根管充填
上記の通り、抜髄、つまり症状が進行し炎症がひどい場合は歯髄を根管から抜き取る治療が行われるのが一般的で、歯髄を抜き取ったあとに根管を徹底的に清掃し、根管に詰め物を入れて終了です。
こう書けば簡単な治療に思われるかもしれませんが、抜髄自体、かなり大変な作業となり、残念ながら歯髄炎と診断された場合、症状が進行した場合だけではなく、比較的初期症状の場合でもこの抜髄を含む「根管治療」を行うケースが圧倒的に多いのです。
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